赤字飲食店はいつまで続けるべきか|閉店の判断基準と出口戦略

「もう少し頑張れば黒字になるはず」——そう思いながら、毎月の赤字を自己資金や融資で補填し続けているオーナー様は少なくありません。弊社・株式会社ネクストに相談にいらっしゃる方も、限界をとっくに超えて頑張り続けている方がほとんどです。この記事では、赤字の飲食店をいつまで続けるべきかの判断基準を、現場で見てきた実例とともに解説します。「閉める=負け」ではありません。正しい出口を知ることで、次の一歩が見えてきます。

赤字飲食店を続けるべきか判断する「3つの数値基準」

「いつまで続けるか」を感覚だけで決めようとすると、判断が遅くなりがちです。まず数値で状況を確認しましょう。以下の3つが目安になります。

判断基準内容ひとつの目安
営業利益の連続赤字売上から人件費・食材費・家賃などを引いた利益3ヶ月連続マイナスで業態転換を検討
運転資金の残高家賃・仕入れ・人件費などを支払える手元資金3ヶ月分を切ったら閉店を具体的に検討
投資回収の見通し開業時の初期投資を回収できるか開業から5年以上経過して回収見込みがなければ再検討

これらはあくまで「ひとつの目安」です。業態・立地・借入状況によって判断は異なります。数値が気になる場合は、まず税理士など専門家に相談されることをおすすめします。

ただし、「限界まで粘ってから相談」では選択肢が大きく狭まります。手元資金に余裕があるうちに動いた方が、居抜き売却など有利な出口を選べます。

飲食業の廃業率は全業種でワースト——あなたは孤独ではありません

中小企業庁の「2022年版 小規模企業白書」によると、飲食サービス業の年間廃業率は5.6%で、全業種の中で最も高い数値です。開業から1年で約3割、3年で約半数、5年で約6割の店舗が廃業しています。

また、帝国データバンクの調査では、2025年の飲食店倒産件数は900件と過去最多を更新しました。物価高・人件費上昇・コロナ融資の返済が重なり、多くのオーナーが厳しい状況に置かれています。

赤字が続いているのは、あなたの努力が足りないからではありません。業界全体が構造的に厳しいのです。この現実を知ったうえで、次の行動を考えましょう。

「もう少し頑張ろう」が傷口を広げる典型パターン

弊社に相談にいらっしゃるオーナー様には、共通したパターンがあります。

売上が落ち始めると、まずメニュー変更・内装リニューアルに取り組みます。費用がかかるため、追加融資を受けます。それでも客足が戻らないと、今度は集客費用をかけます。SNS運用をプロに依頼し、Googleマップ対策やSEOも検討します。しかし——。

SNSのプロに依頼しても、成果が出るまでに最低半年〜1年かかります。その間も毎月の固定費は変わらず発生します。

こうして「内部改善→追加融資→集客投資→追加融資」のサイクルが繰り返され、気づいたときには未払金と融資残高が積み上がっています。

本来、売上が落ちた原因が「認知・集客」にあるなら、内装変更より集客投資の方が効果的です。しかし、集客方法にはSNS・Googleマップ・SEO・チラシなど多くの選択肢があり、自店に合った方法と予算を見極めるのは容易ではありません。多額の集客費用をかけた結果、経営にさらに影響が出た方も実際に多くいらっしゃいます。

弊社が担当した事例:「もう少し」が重なった末に

実際に弊社が担当した事例では、都内で飲食店を営むオーナーが、売上低迷を受けてメニュー変更・内装リニューアルを2回実施し、その都度追加融資を受けていました。最終的に弊社へご相談いただいた時点で、未払金と融資残高が相当額に膨らんでいました。

このケースでは、資金にまだ余裕があった時点で居抜き売却を選んでいれば、造作(内装・設備)に値段がつき、融資の一部返済に充てられた可能性がありました。しかし実際には、限界まで続けたため選択肢が大幅に減っていました。

「もう少し頑張ろう」という気持ちは、オーナーとして当然の思いです。ただ、タイミングが遅くなるほど、取れる手段は少なくなります。

閉店を決断する前に知っておきたい「居抜き売却」という選択肢

「閉める」と決めたとき、多くのオーナーが最初に思い浮かべるのは「解約→原状回復(スケルトン返却)」です。しかし、それは必ずしも唯一の選択肢ではありません。

居抜き売却とは、内装・厨房設備・什器などをそのままの状態で次のテナントに譲渡し、造作譲渡料(売却益)を受け取る方法です。

比較項目スケルトン返却(原状回復)居抜き売却
原状回復費用坪5〜15万円程度かかる基本的に不要(買い手が設備を引き継ぐ)
退去時の収支費用のみ発生売却益が得られる場合がある
次テナントへの影響開業コストを下げられるため成約しやすい
手続きの複雑さ業者に依頼するだけ仲介会社が代行(弊社は着手金0円)

赤字が続いている状況でも、内装や設備に価値があれば売却益が出ることがあります。「閉めるなら損をして終わり」ではなく、「前向きに終わる」選択肢として、居抜き売却を知っておいてください。

撤退を決めるための「7つのサインチェックリスト」

以下の項目で、当てはまるものが3つ以上あれば、専門家への相談をおすすめします。

  • 営業利益がマイナスの月が3ヶ月以上続いている
  • 運転資金(手元の現預金)が3ヶ月分を切っている
  • 個人資産や家族からの借入でお店を支えている
  • 集客施策に費用をかけているが売上が改善していない
  • 融資の返済が毎月の固定費を圧迫している
  • 心身の疲弊でサービスの質が落ちていると感じる
  • 「続けたい」より「終わりにしたい」気持ちが強くなっている

このリストは判断の「補助線」です。最終的な決断はご自身と専門家(税理士・中小企業診断士など)と相談のうえ行ってください。

黒字でも閉める選択肢——「戦略的撤退」という考え方

飲食店の廃業は、必ずしも赤字が理由ではありません。オーナーの高齢化・後継者不足・設備更新の負担増などにより、黒字のうちに閉める「戦略的撤退」も増えています。

黒字の状態での居抜き売却は、造作に高い価値がつきやすく、良い条件で終わりにできます。「まだ黒字だから大丈夫」と思っているうちに、体調悪化・設備の故障・賃貸条件の変更などが重なって赤字に転じるケースもあります。

先を見越して「売れるうちに売る」という判断も、立派な経営判断です。


よくある質問

Q. 赤字が続いていますが、あと何ヶ月で閉めるか目安はありますか?

A. 絶対的な正解はありませんが、目安として「運転資金(現預金)が3ヶ月分を切ったタイミング」で閉店・売却を具体的に検討することをおすすめします。閉める手続き(賃貸の解約予告・従業員への告知・居抜き売却の手配など)には一定の時間が必要です。資金が底をつく前に動くことで、選択肢が広がります。具体的な資金計画は税理士にご相談ください。

Q. 居抜き売却には費用がかかりますか?

A. 弊社・株式会社ネクストは着手金0円・完全成果報酬です。売却が成立した場合のみ手数料が発生します。売却が成立しなければ費用は一切かかりません。まず無料査定でご自身の店舗の価値を確認するところから始められます。

Q. 赤字店舗でも居抜き売却できますか?

A. 経営が赤字でも、内装・厨房設備・立地条件に価値があれば居抜き売却は可能です。とくに人気エリア(都心・駅近など)の物件は、設備が古くても次のテナントが引き継ぎたいケースがあります。売却できるかどうかは査定をしなければわかりません。まずはご相談ください。


まとめ:「いつまで続けるか」より「どう終わるか」を考える

赤字の飲食店をいつまで続けるべきか——この問いに唯一の答えはありません。ただ、判断を遅らせるほど、選べる出口は少なくなります。

  • 飲食サービス業の年間廃業率は5.6%で全業種ワースト。赤字で苦しんでいるのはあなただけではありません
  • 「もう少し頑張ろう」と内装変更・集客投資を重ねることで、融資残高が膨らむパターンが多く見られます
  • 運転資金が3ヶ月分を切ったら、閉店・売却を具体的に検討するタイミングです
  • 「閉める=損をして終わり」ではなく、居抜き売却で造作譲渡料を得て前向きに終わる選択肢があります
  • 判断に悩んだら、早めに専門家(税理士・居抜き仲介会社)へ相談することが、選択肢を広げる最善策です

限界まで頑張ってきたオーナー様が、少しでも良い形で次のステージに進めるよう、弊社はサポートしています。

店舗の売却・閉店についてお悩みの方へ。株式会社ネクストでは、二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に査定し、着手金0円・完全成果報酬で居抜き売却をサポートしています。無料査定のご相談はこちら、またはLINEでの無料相談もご利用いただけます。

店舗の原状回復費用の相場と回避法|1800万円が0円になった実例

閉店を決めて、まず頭をよぎるのが「原状回復にいくらかかるのか」という不安ではないでしょうか。契約書を読み返すたびに胃が締まる思いをされているオーナー様も少なくありません。この記事では、飲食店の原状回復費用の相場と、費用が高額になる理由、そして実際に費用を大幅に抑えられた事例をもとに、退去時に取りうる選択肢を整理してお伝えします。

飲食店の原状回復費用の相場は坪10〜15万円が目安

飲食店の原状回復費用は、坪単価10〜15万円が一般的な相場です。100㎡(約30坪)の店舗であれば、最低でも150万円前後かかる計算になります。

ただしこれはあくまで「最低ライン」の目安です。業態・立地・契約条件によって、坪20〜50万円まで跳ね上がるケースも珍しくありません。

業態坪単価の目安30坪換算
軽飲食(カフェ・テイクアウト等)5〜8万円150〜240万円
一般飲食(居酒屋・定食屋等)10〜15万円300〜450万円
重飲食(焼肉・ラーメン・鉄板等)15〜25万円450〜750万円
商業施設・特殊立地(高架下等)20〜50万円以上600万〜1,500万円以上

居住用の賃貸と異なり、事業用テナントは原状回復費用の全額を借主(テナント側)が負担するのが一般的です。「原状回復は借主・貸主で折半」というルールは居住用には存在しますが、店舗の場合はほぼ全額テナント負担と思っておいた方がよいでしょう。

費用が高額になる3つの理由

1. 重飲食の油汚れ・ダクト撤去

焼肉・ラーメン・鉄板焼きなど油煙が多い業態では、ダクトの内部洗浄・撤去に高額な費用がかかります。油汚れが壁や天井に染み込んでいる場合は塗装やボード張り替えが必要になることもあります。

2. 商業施設・特殊立地の割増費用

商業施設内やビル内のテナントでは、作業が夜間限定だったり、施設側の管理者が常駐する費用が加算されたりします。その結果、通常より30〜50%の割増料金が発生するケースがあります。

3. 指定業者制度による相見積もり不可

多くの店舗賃貸では、賃貸借契約書に「原状回復は貸主指定の業者が行う」という条項が含まれています。この場合、テナント側は複数の業者に見積もりを依頼することができません。相見積もりができないため価格の妥当性を判断しにくく、結果的に高額な請求を受け入れざるを得ないというケースが多く発生しています。

指定業者制度が存在する理由は、退去時に安い業者が工事を行うことでビル全体の設備に影響が出るリスクを防ぐためです。ただし、相見積もりができない構造上、費用が適正かどうかの検証が難しいのが実情です。

「1,800万円の請求」が届いた実例——指定業者問題の現実

実際に弊社が担当した事例をご紹介します。

高架下にある約30坪の店舗で、退去時に提示された原状回復費用の見積もりは1,800万円でした。電鉄系の子会社が建設会社を兼ねており、契約上その会社以外に工事を発注することができない状況でした。相見積もりも交渉の余地もなく、テナント側は「支払うしかない」という気持ちで退去準備を進めていたそうです。

転機になったのは、知り合いの社労士からの一言でした。「そのまま払う前に、居抜き売却の専門家に相談してみたほうがいい」と言われ、弊社にご連絡をいただきました。

その後、貸主との交渉を経て居抜き譲渡に切り替え、原状回復費用は免除となりました。なお、この物件は定期借家で残存期間が短く、造作は無償譲渡となったため売却益は発生していません。それでも、1,800万円の原状回復費用の負担をまるごと回避できたことの価値は非常に大きなものでした。

なお、この物件の次のテナント様には、退去時に同様の高額な原状回復費用が発生する可能性があることと、その金額の目安を事前にお伝えしてあります。知らずに入居してしまうことで困られるオーナー様を出さないための対応です。

原状回復費用を抑えるために知っておきたい3つの方法

1. 退去前に「居抜き売却」を検討する

最も効果的な方法は、スケルトン工事(原状回復)の前に居抜き売却を検討することです。次のテナントが内装・設備をそのまま引き継ぐ形であれば、原状回復費用が免除または大幅に軽減される交渉ができます。貸主の合意が必要ですが、空室リスクを避けたい貸主にとってもメリットがあるため、交渉が成立するケースは少なくありません。

居抜き売却の詳しい仕組みについては、飲食店の居抜き売却とは|仕組みと流れをわかりやすく解説もあわせてご覧ください。

2. 契約書の「原状回復の範囲」を確認する

原状回復の範囲は契約書によって異なります。「スケルトン(躯体だけの状態)に戻す」という条件の場合と、「入居時の状態に戻す(B工事分を残す)」という条件では、費用に大きな差が出ます。まず契約書を確認し、弁護士や不動産の専門家に相談することをおすすめします。

3. 相見積もりが可能な場合は最低3社に依頼する

指定業者の縛りがなければ、最低3社から見積もりを取ることが推奨されています。同じ工事内容でも業者によって金額が数十〜数百万円変わることがあります。ただし前述のとおり、指定業者制度がある場合は相見積もり自体ができないことも多いため、まず契約書の確認が優先です。

スケルトン返却と居抜き売却、費用の比較

項目スケルトン返却(原状回復)居抜き売却
原状回復費用坪10〜50万円(借主全額負担)免除または大幅軽減の交渉が可能
退去にかかる収支費用のみ発生(収益なし)造作譲渡料として売却益が得られる場合あり
貸主との交渉不要(契約どおり実施)貸主の合意が必要
期間工事完了後に退去譲受人が決まり次第退去(最短1ヶ月も)
設備・内装の処分撤去費用が発生する次のテナントに引き継ぐため不要

スケルトン返却と居抜き売却では、費用面だけでなくトータルの収支が大きく変わります。閉店を決めた段階で、まず居抜き売却が可能かどうかを確認することが重要です。

よくある質問

Q. 契約書に「スケルトン返却」と書いてあっても居抜き売却に変更できますか?

A. 貸主の合意があれば変更できる場合があります。貸主側にとっても空室期間を短縮できるメリットがあるため、交渉の余地があります。ただし契約内容・貸主の意向によって異なりますので、専門家への相談を通じて進めることをおすすめします。弊社では交渉の段階からサポートしております。

Q. 原状回復費用の見積もりが高すぎると感じたら、どうすればよいですか?

A. まず契約書で「工事業者の指定の有無」と「原状回復の範囲(スケルトンか現状回復か)」を確認してください。指定業者でない場合は複数社への相見積もりが有効です。見積もり内容の妥当性については、不動産・建築の専門家に確認を依頼することも選択肢の一つです。また、居抜き売却に切り替えることで費用そのものを回避できる可能性もありますので、退去前に一度ご相談ください。

Q. 飲食店の原状回復は「借主の全額負担」が必ずルールなのですか?

A. 法律上の定めではなく、事業用賃貸の慣習として「借主全額負担」が一般的です。ただし契約書の内容によっては、一部費用を貸主が負担するケースもあります。また、国土交通省のガイドラインは居住用を対象としており、事業用テナントには直接適用されません。契約内容の解釈については弁護士への相談を推奨します。

まとめ

飲食店の原状回復費用は、業態・立地・契約内容によって大きく異なります。

  • 坪単価の相場は10〜15万円。重飲食や特殊立地では20〜50万円以上になることも
  • 事業用テナントは原状回復費の全額借主負担が一般的
  • 指定業者制度で相見積もりが取れず、高額になりやすい構造がある
  • 居抜き売却に切り替えることで、原状回復費用の免除+売却益の両取りができるケースがある
  • 閉店・退去を決めたら、原状回復工事の前にまず専門家に相談することが重要

1,800万円の請求を目の前にしても、別の選択肢が存在することを知っていれば結果は大きく変わります。「支払うしかない」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。


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居抜き売却の流れと手順|5ステップで失敗を防ぐポイントを解説

!– メタディスクリプション: 居抜き売却の流れを5ステップで解説。貸主への相談タイミング・造作譲渡料の適正設定・店内整理まで、実際の成約事例をもとに弊社が注意点を詳しくまとめました。 –>

「閉店を決めたけど、どこから手をつければいいのかわからない。」そんな状態で検索されている方も多いのではないでしょうか。

居抜き売却(いぬきばいきゃく)とは、店内の内装や厨房設備をそのまま次のテナントに譲渡し、原状回復費用を抑えながら売却益を得る方法です。うまく進めれば、解体工事費ゼロ+まとまった売却益という結果も十分に狙えます。ただし、手順を間違えると「売れない」「貸主とトラブルになる」といったリスクがあるのも事実です。

この記事では、株式会社ネクストが実際の成約事例をもとに、居抜き売却の流れを5つのステップに整理してお伝えします。最短1ヶ月で成約した事例もご紹介しますので、ぜひ最後まお読みください。


居抜き売却の流れは5ステップ。まず「専門業者への相談」から始めるのが正解

結論からお伝えします。居抜き売却で最も大切なのは、「貸主(大家さん)に解約通知を出す前に、専門業者へ相談する」ことです。

「先に貸主に退去の意向を伝えてからでいいのでは」と思われがちですが、解約通知を出してしまうと、貸主側が「原状回復(スケルトン戻し)」を前提に話を進めてしまうことがあります。そうなると、居抜き売却の交渉が難しくなるだけでなく、高額な解体費用を負担せざるを得ない状況になることもあります。

まずは全体の流れを把握してから、順を追って進めましょう。

ステップ 内容 目安期間
契約書・リース契約の確認 1〜3日
専門業者への相談・査定 1〜2週間
貸主へ居抜き売却の承諾を得る 1〜3週間
購入希望者の募集・内見 1〜数ヶ月
造作譲渡契約・店舗引き渡し 1〜2週間

人気エリアであれば、④の購入者探しが短期間で終わることもあります。弊社では最短1ヶ月での成約実績があります。池袋・西麻布のような出店希望者が多いエリアでは、飲食店向け物件自体がほとんど出回らないため、募集をかけるとすぐに申込が入るケースも少なくありません。


ステップ①:賃貸借契約書とリース契約を必ず確認する

最初にやることは、手元の書類を引っ張り出すことです。まず確認すべき書類は以下の2つです。

  • 賃貸借契約書:解約予告の期間(多くは3〜6ヶ月前)、原状回復の範囲、造作譲渡禁止特約の有無
  • リース・レンタル契約書:厨房機器・POSレジなどリース品の解約条件と残債

特に重要なのが「造作譲渡禁止特約」です。契約書に「造作の譲渡を禁ずる」という条項が入っている場合、そのままでは居抜き売却ができません。特約があっても貸主との交渉次第で承諾を得られることがありますが、まず現状を把握することが先決です。

リース品については注意が必要です。コンロや冷蔵庫がリース契約の場合、所有権はリース会社にあります。無断で譲渡してしまうとトラブルになります。リース品は別途解約するか、新テナントに引き継ぎ交渉をするか、専門業者と相談しながら判断しましょう。


ステップ②:貸主への通知前に専門業者へ相談・査定を依頼する

書類の確認が終わったら、貸主への解約通知より先に専門業者へ相談してください。この順序が、居抜き売却を成功させる最大のポイントです。

専門業者に相談すると、おおむね以下のことをしてもらえます。

  • 現地調査・査定(内装・設備の状態、立地、エリアの需要などを総合的に評価)
  • 造作譲渡料の適正価格の提案
  • 貸主交渉のサポート
  • 買主候補の紹介・マッチング

弊社・株式会社ネクストでは、二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に査定します。業種によっては「思っていたより高く売れた」というケースも多くあります。

実際に弊社が担当した事例では、池袋の路地裏にある8坪のとんかつ屋で、オーナー様の当初希望額300万円が最終的に660万円で成約しました。池袋はエリアとして飲食店向け物件がほとんど出回らないため、出店希望者が集中し、希少性が価格を大きく押し上げました。立地の見た目よりも「エリアの需要」が価格を決める、という典型的な例です。


ステップ③:貸主から「造作譲渡の承諾」を得る

専門業者が査定を終えたら、次は貸主(大家さん・管理会社)へ居抜き売却の意向を伝え、承諾を得ます。賃貸借契約では、原状回復が原則となっていることが多いため、貸主の承諾なしに内装・設備を勝手に売ることはできません

この段階でよくある質問をまとめます。

貸主が承諾してくれない場合は?

業種や新テナントの属性によっては、貸主が承諾を渋るケースもあります。たとえば「同業種の飲食店のみ可」という縛りがある場合や、新テナントの財務状況に懸念がある場合などです。専門業者が間に入って交渉することで、解決できることも多くあります。

承諾料(ハンコ代)を求められることはある?

あります。貸主によっては、居抜き売却の承諾にあたって承諾料(ハンコ代)を求めることがあります。金額は物件によって異なります。あらかじめ想定に入れておきましょう。

貸主との関係が悪化しそうで怖い

丁寧に説明すれば、多くの貸主は理解してくれます。そもそも、貸主にとっても「スケルトン状態で長期空室になるより、すぐ次のテナントが入ってくれる方がよい」という場合がほとんどです。感情的にならず、専門業者のサポートを借りて進めましょう。


ステップ④:購入希望者の募集と内見対応。3つの実務ポイント

貸主の承諾が得られたら、いよいよ買主の募集です。専門業者が媒介となり、購入希望者を探します。この段階では、オーナー様に実践していただきたいポイントが3つあります。

ポイント① 造作譲渡料は「高すぎず、低すぎず」適正額を設定する

造作譲渡料(ぞうさくじょうとりょう)とは、内装・設備を譲渡するにあたって買主から受け取る代金です。この金額の設定を誤ると、売却が長引きます。

弊社が多くの案件を担当してきた経験から言えることがあります。造作譲渡料を高く設定しすぎると、申込がなかなか入りません。買主側は「もう少し待てば値下がりするだろう」と様子見に入ります。その結果、売れない期間が続き、その間も家賃の支払いは発生し続けます。適正価格で早期成約させることが、トータルで一番の利益になることが多いです。

ポイント② 申込が複数入ったらオークション形式も選択肢に

逆に、人気エリアや需要の高い物件では同時に複数の申込が入ることがあります。その場合は、買主に価格提案を競ってもらう「オークション形式」を取ることも可能です。売り手に有利な状況を最大限に活かせます。弊社でもこの方法でより高い成約額を実現した実績があります。

ポイント③ 内見前に店内を片付けて「買い手がイメージできる状態」にする

内見時に店内が散らかっていると、買主が具体的な開業イメージを持てず、申込をためらいます。「内見が終わったら片付けます」ではなく、内見前に整理整頓を終わらせてください。不要な私物、壊れた備品、段ボール類などは事前に処分しておくと、第一印象が大きく変わります。

清潔で整理された状態の店内は、それだけで買主に「大切に使われていた物件だ」という安心感を与えます。これは査定にも影響する要素です。


ステップ⑤:造作譲渡契約の締結と店舗の引き渡し

買主が決まったら、造作譲渡契約書を締結します。この契約は基本的に現借主(売り手)と新借主(買い手)の間で交わします。物件によっては貸主を含めた三者契約になることもあります。

契約書に含める主な内容は以下の通りです。

  • 譲渡する造作物のリスト(設備・内装の範囲を明確に)
  • 造作譲渡料とその支払い方法
  • 引き渡し日・引き渡し条件
  • リース品・レンタル品の扱い
  • 機器類の動作確認(不具合がある場合の取り決め)

「譲渡するものとしないもの」を明確にリスト化しておくことが、後々のトラブル防止になります。また、引き渡し前には厨房機器などの動作確認を必ず行いましょう。引き渡し後に「動かなかった」「聞いていた状態と違う」というトラブルは、事前確認で防げます。

引き渡しが完了したら、賃貸借契約の解約手続きを進め、居抜き売却のすべての工程が完了です。


よくある質問

Q. 居抜き売却にかかる費用はどのくらいですか?

弊社・株式会社ネクストは着手金0円・完全成果報酬でご対応しています。売却が成立した場合のみ手数料が発生するため、売れなかった場合の費用負担はありません。業者によって費用体系は異なりますので、依頼前に確認することをお勧めします。

Q. 賃貸借契約の解約予告期間中に居抜き売却はできますか?

できるケースが多いです。解約予告を出した後でも、貸主の承諾を得られれば居抜き売却を進めることができます。ただし、解約通知より前に専門業者へ相談することで、より有利に交渉を進めやすくなります。解約通知後に居抜き売却を希望される場合は、まずご相談ください。

Q. 閉店日まで時間がありません。急いで売ることはできますか?

エリアや物件の状態によりますが、弊社では最短1ヶ月での成約実績があります。池袋・西麻布などの人気エリアは特に申込が早く入りやすい傾向にあります。まずはお早めにご相談いただくことで、選択肢が広がります。時間的な余裕がないほど、早期の相談が重要です。


まとめ:居抜き売却は「順番」と「適正価格」と「準備」がすべて

この記事でお伝えした居抜き売却の流れを、改めて整理します。

  1. 契約書・リース契約の内容を確認する
  2. 貸主への通知より先に専門業者へ相談・査定を依頼する
  3. 貸主から造作譲渡の承諾を得る
  4. 適正価格で募集し、内見前に店内を整理する
  5. 造作譲渡契約を締結し、店舗を引き渡す

「どうせ売れないだろう」と諦めている方に知っていただきたいのは、立地や物件の条件が厳しくても、エリアの需要次第で予想を超える金額で成約するケースが実際にある、ということです。まずは現状を専門家に見てもらうことから始めてみてください。

一人で抱え込む必要はありません。弊社がそのお手伝いをします。


店舗の売却・閉店についてお悩みの方へ。株式会社ネクストでは、二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に査定し、着手金0円・完全成果報酬で居抜き売却をサポートしています。無料査定のご相談はこちら、またはLINEでの無料相談もご利用いただけます。

飲食店を辞めたいと感じたら|6つの理由と最初の一歩

「もう限界かもしれない」——そう思いながらも、誰にも言えずに毎日店に立ち続けているオーナーは、決して珍しくありません。

飲食店の経営は、体力も気力も資金も、すべてを注ぎ込むものです。それでも思うように売上が伸びない、人が集まらない、毎月の返済が重くのしかかる。「辞めたい」と感じることは、弱さではありません。真剣に経営に向き合ってきた証です。

この記事では、実際に弊社(株式会社ネクスト)にご相談をいただいた飲食店オーナーの事例をもとに、「辞めたいと感じる主な理由」と「次の一歩として取れる選択肢」を整理します。閉店を決断することへの不安を、少しでも和らげるお手伝いができれば幸いです。


飲食店を「辞めたい」と感じるのは、あなただけではありません

まず知っておいていただきたいのは、飲食業は構造的に厳しい業界であるという事実です。

東京商工リサーチの調査によると、2025年の飲食業倒産件数は史上初めて年間1,000件を超えました。2026年1月単月だけで92件と、過去30年間で最多を記録しています(帝国データバンク調べ)。飲食サービス業の年間廃業率は5.6%で、全業種中ワースト水準です。

開業率は17.0%と高い一方で、廃業も多い「多産多死」の構造になっています。多くのオーナーが精一杯努力しながらも、経済環境や外部要因によって厳しい判断を迫られています。

「辞めたい」と思ったとき、それはむしろ現実を正面から見据えている証かもしれません。


飲食店を辞めたいと感じる6つの理由

弊社にご相談いただくオーナーの声をもとに、よく聞かれる理由を6つまとめました。いずれも、追い詰められてから気づくケースが多いものです。

1. 売上の悪化・赤字の継続

最も多いご相談です。「一時的な落ち込みだ」と信じて耐えているうちに、赤字が積み重なってしまうケースが多く見られます。

実際に弊社が担当した事例では、相談に来られたオーナーの多くが、すでに未払い金や融資残高が多額になっている状態でした。「もう少し頑張ろう」とメニューを変えたり内装を直したりと改善を重ねるうちに、追加融資が増えていくパターンが典型的です。売上回復のためにお金をかけることが、かえって経営を圧迫してしまう悪循環に陥ります。

2. 体調を崩したとき

飲食業は体力勝負の仕事です。睡眠不足・立ち仕事・精神的なプレッシャーが重なり、ある日突然体が動かなくなるケースがあります。

「体が限界だから」という理由での閉店は、決して恥ずかしいことではありません。健康を失ってしまえば、再起すら難しくなります。早めの判断が、次の可能性を守ることにもつながります。

3. 外部要因による精神的な消耗

売上や収益だけが原因とは限りません。弊社に相談をいただいた中には、関西から女性が一人で上京し、長年飲食店を営んできた方のケースがありました。周辺住民からの継続的な嫌がらせを受けながら10年間耐え続けてきたものの、心身ともに限界に達し、閉店を決断されました。

経済的な問題でなくても、「もう続けられない」という判断は正当です。むしろ、そこまで耐えてきたことそのものが、並外れた力の証といえます。

4. コロナ後に売上が戻らず、融資返済が重くなった

コロナ禍に借り入れたゼロゼロ融資(無利子・無担保融資)の返済が2023〜2024年ごろから本格的に始まり、売上がコロナ前に戻り切らないまま返済だけが増えていくケースが多く見られます。

「もう少し待てば売上が戻るかもしれない」という期待が、閉店判断を遅らせてしまうこともあります。返済の見通しが立たないと感じたタイミングで、専門家(税理士・公認会計士)に相談することをおすすめします。

5. 食材費・人件費の高騰で利益が出なくなった

仕入れコストの上昇は、どのオーナーも実感していることです。米・油・肉類など主要食材が軒並み値上がりするなか、価格転嫁(値上げ)をためらって利益が消えていくケースが増えています。

飲食・宿泊業の年間離職率は18.1%と高く、採用コストと人件費の負担も軽くありません。売上が変わらなくても、コスト増加だけで赤字に転落することがあります。

6. 人材不足・店長不在で心が折れた

現場を任せられる信頼できるスタッフが育たない、雇うたびにすぐ辞めてしまう——こうした状況が長く続くと、オーナー自身が休めない日々が続きます。

弊社への相談の中には、「信頼していた店長が突然退職し、それ以来自分が毎日入り続けているが、もう体も気力も限界」というオーナーもいらっしゃいました。経営の問題でなく、人の問題で心が折れることも、立派な閉店理由です。


「もう少し頑張ろう」が危険なサインになることもある

辞めたいという気持ちが出てきたとき、多くのオーナーは「まだ諦めるのは早い」と自分を奮い立たせます。それ自体は悪いことではありません。しかし、状況によっては「もう少し」が逆効果になることがあります。

具体的には次のような状態が続いている場合は、早めに専門家への相談を検討することをおすすめします。

状態 判断の目安
3ヶ月以上連続して赤字 収支改善の具体策がなければ要検討
融資返済に売上が追いつかない 追加融資は慎重に。税理士へ相談を
体調不良が1ヶ月以上続いている 健康を最優先に判断する
毎月の手元資金が減り続けている 資金ショートの前に行動する
精神的に限界を感じている 無理な継続は回復をさらに遅らせる

閉店の判断に「正解のタイミング」はありませんが、動ける状態のうちに動くことが、損失を最小限にするうえで大切です。


飲食店を辞める方法:閉店と居抜き売却の違い

「辞める」といっても、方法は一つではありません。大きく分けると「スケルトン返し(原状回復して閉める)」と「居抜き売却(内装・設備を次のテナントに譲渡する)」があります。

方法 概要 費用感 収入
スケルトン返し(原状回復) 内装を撤去し、入居前の状態に戻す 数十万〜数百万円(規模・物件による) なし
居抜き売却 内装・設備のまま次のテナントに譲渡 基本ゼロ〜低コスト 造作譲渡料(数十万〜数百万円)

原状回復費用は物件の規模や貸主の条件によって大きく異なります。弊社が担当した事例の中には、高架下の約30坪の物件で原状回復費用が1,800万円になったケースもありました。その物件では居抜き売却に切り替えることで費用がゼロになり、さらに造作譲渡料として収入を得ることができました。

閉店を考え始めたら、まず原状回復の見積もりを取る前に、居抜き売却の可能性を確認することをおすすめします。


「辞めたい」と思ったら、まず相談してください

閉店の決断は、オーナー一人で抱え込む必要はありません。むしろ、専門家に早めに話を聞いてもらうことで、選択肢が広がることがあります。

弊社・株式会社ネクストでは、閉店・売却のご相談を無料でお受けしています。「まだ決めていないが話だけ聞きたい」という段階でも、まったく問題ありません。

閉店を「失敗」と思わないでください。長年にわたって飲食の世界で戦い続けてきたこと、それ自体に大きな価値があります。次の一歩を、一緒に考えさせてください。


よくある質問

飲食店を辞めたいと思ったとき、まず何をすればいいですか?

最初に行うべきは、現状の財務状況の確認です。月々の収支・融資残高・未払い金を整理し、あと何ヶ月持ちこたえられるかを把握します。次に、賃貸借契約書を確認して解約予告期間(一般的に3〜6ヶ月前の通知が必要)を確認してください。その上で、税理士や居抜き売却の専門家に相談するのが現実的な流れです。

赤字でも居抜き売却できますか?

店舗の経営状況と居抜き売却の可否は、基本的に別の問題です。内装・設備に価値があれば、たとえ赤字店舗でも造作譲渡料を得られる可能性があります。ただし、賃料滞納がある場合は貸主との交渉が必要になることがあります。詳しくは弊社の無料査定でご確認ください。

閉店を決めてから実際に閉めるまで、どれくらい時間がかかりますか?

居抜き売却の場合、早ければ1〜2ヶ月で成約するケースもあります。ただし、賃貸契約の解約予告期間(3〜6ヶ月)があるため、実際の退去はそれ以降になります。スタッフへの通知や各種手続き(社会保険・税務・許認可の廃業届など)も並行して進める必要があります。余裕を持った計画が大切です。


まとめ:辞めたいと感じたなら、その気持ちを大切に

「飲食店を辞めたい」という気持ちは、弱さの証ではありません。限界まで頑張ってきたからこそ、生まれる感情です。

大切なのは、その感情を無視して無理を続けることではなく、「どう辞めるか」「次をどう生きるか」を冷静に考える余裕を持つことです。

  • 辞めたいと思う理由を正直に言語化する
  • 財務状況・契約内容を確認する
  • 居抜き売却という選択肢を知っておく
  • 一人で抱え込まず、専門家に相談する

動ける状態のうちに一歩を踏み出すことが、最終的な損失を減らすことにつながります。

店舗の売却・閉店についてお悩みの方へ。株式会社ネクストでは、二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に査定し、着手金0円・完全成果報酬で居抜き売却をサポートしています。無料査定のご相談はこちら、またはLINEでの無料相談もご利用いただけます。

飲食店の閉店費用の内訳と節約法|原状回復1,800万円を回避した実例

「閉店しようと決めたのに、費用がいくらかかるかわからなくて動けない」——そんな状況ではないでしょうか。実は飲食店の閉店には、原状回復費・厨房機器の撤去・各種精算など、さまざまな費用が重なります。この記事では閉店費用の全体像と、費用を大幅に減らせる「居抜き売却」という選択肢をわかりやすく解説します。費用の不安が少しでも軽くなれば幸いです。

飲食店の閉店費用は平均いくら?まず全体像を把握しよう

飲食店の閉店にかかる費用の目安は、家賃の半年〜1年分と言われることが多いです。たとえば月額家賃30万円なら、180万〜360万円が一つの目安です。ただし物件の条件によっては1,000万円を超えることもあります。

費用の主な内訳は次の6つです。

費用項目目安金額備考
原状回復工事坪5〜10万円20坪で100〜200万円。特殊物件は別途
厨房機器・看板の撤去10〜50万円機器の状態次第で買取になる場合も
在庫・食材の処分数万〜20万円廃棄・返品・売却で変動
従業員への退職金・精算規模による雇用保険の手続きも必要(社労士に相談推奨)
各種解約手続き費数万円〜ガス・電気・POSシステム等の解約金
保証金・敷金の精算物件による原状回復費用と相殺されることが多い

これらが一度に重なるため、資金不足に陥るオーナーも少なくありません。まずは費用の全体像を把握し、一つひとつ整理していくことが大切です。

閉店費用で最大のウェイトを占める「原状回復費用」の実態

閉店費用の中で最も金額が大きくなりやすいのが、原状回復工事です。原状回復とは、賃貸物件を入居前の状態(スケルトン)に戻す工事のことです。飲食店は一般のオフィスや住居と異なり、厨房設備・換気ダクト・グリーストラップなど大掛かりな設備が入っているため、工事費用も高くなります。

原状回復費用の相場

一般的な飲食店の原状回復費用の目安は坪5〜10万円です。ただし、ターミナル駅近くの商業ビルや特殊な物件ではこの何倍もの費用になることがあります。

物件タイプ坪単価の目安20坪の場合
一般的な路面店・雑居ビル5〜10万円100〜200万円
駅ビル・商業施設10〜30万円200〜600万円
高架下・特殊構造物件30万円〜600万円〜

「指定業者」問題——相見積もりが取れない現実

原状回復工事では、ビルオーナーや管理会社が指定した業者しか使えないケースが多くあります。これは、退去者が独自に安い業者を手配すると、ビル全体の給排水・ガス・電気設備に影響を与えるリスクがあるためです。ビルの構造を熟知した指定業者に限定することで、建物全体の安全を守るという理由があります。

しかし現実には、相見積もりが取れないために費用が高額になりやすく、場合によってはオーナーや管理会社が業者からバックマージンを受け取っているケースもあります。指定業者制度の存在は、入居時の契約書に記載されていても、実際の金額は退去時の見積もりが出るまでわかりません。

弊社が担当した実際の事例:高架下の30坪の物件で、退去時に原状回復費用として1,800万円の見積もりが提示されました。電鉄系の子会社が指定業者となっており、テナント側には業者を選ぶ余地がありませんでした。「支払うしかない」と思い詰めていたオーナーの知人である社労士が弊社を紹介してくださり、居抜き売却に切り替えた結果、原状回復費用はゼロになりました。この物件は定期借家で残存期間が短く、造作は無償譲渡となったため売却益は生じていませんが、1,800万円の負担をまるごと回避できたことの意味は大きいものでした。

この事例のように、高架下や商業ビルの特殊物件では原状回復費用が極端に高額になることがあります。原状回復の見積もりが出る前に、居抜き売却の可能性を検討することが重要です。

原状回復以外の閉店費用を詳しく見る

厨房機器・看板の撤去

原状回復工事に含まれない厨房機器(冷蔵庫・フライヤー・食洗機など)や看板の撤去は、別途費用がかかります。産業廃棄物として処分する場合、1点あたり1〜3万円程度の処分費用が発生します。ただし、製造年が新しい機器や有名メーカーの厨房機器は買取に出せる場合もあり、うまく活用すると費用を相殺できます。

繁忙期は割増料金に注意

引っ越し業者や撤去業者と同様に、工事・撤去業者も3月・12月は繁忙期となり、通常より10〜30%程度割増になることがあります。閉店時期を調整できる場合は、繁忙期を避けることも費用節約の一つの手段です。

従業員への退職精算

従業員を雇用している場合、給与の最終精算・有給休暇の消化または買取・雇用保険の離職票発行などの手続きが必要です。退職金規程がある場合は退職金も発生します。具体的な手続きや金額については、社会保険労務士への相談をおすすめします

各種契約の解約費用

ガス・電気・水道の名義変更手続きのほか、POSレジシステム・ネット回線・BGMサービスなどのリース・サブスクリプション契約には解約金や違約金が発生することがあります。契約書を早めに確認しておきましょう。

閉店費用を大幅に減らす方法——居抜き売却という選択

閉店費用の節約に最も効果的なのが居抜き売却(造作譲渡)です。内装・設備をそのままの状態で次のテナントに売却することで、原状回復費用が不要になるだけでなく、売却益を得られます。

先ほどご紹介した高架下30坪の事例では、原状回復費1,800万円の負担がまるごと回避されました(この事例は造作が無償譲渡だったため、売却代金は発生していません)。原状回復を行う場合と、費用ゼロで退去できた場合の差額は、単純計算で1,800万円になります。

比較項目原状回復して退去居抜き売却
原状回復費用▲100万〜数千万円0円
厨房機器・内装の価値0円(撤去費用が別途)+売却益(立地・設備次第)
手元に残る金額の差マイナス大マイナス小〜プラスも可能

ただし居抜き売却には、貸主(ビルオーナー)の承諾が必要です。また、閉店を決めてから売り手を探すため、ある程度の時間的余裕が必要です。資金が底をつく前に早めに相談することをおすすめします。

厨房機器の買取を活用する

居抜き売却が難しい場合でも、厨房機器の買取業者に査定を依頼することで費用を一部カバーできます。製造から5年以内の業務用冷蔵庫・コールドテーブル・食洗機などは、買取価格がつくことがあります。廃棄処分する前に、まず査定に出してみましょう。

廃業時に見落としがちな節税の可能性

閉店・廃業の年度は、多くの場合大きな赤字になります。この赤字を前年の黒字と相殺できる「繰戻し還付(くりもどしかんぷ)」という制度があります。廃業年度の赤字額に応じて、前年に支払った法人税(または所得税)の一部が還付される可能性があります。

ただし、この制度の適用条件や申請方法は複雑です。必ず税理士への相談を経て手続きを行ってください。見落としがちな制度ですが、まとまった金額が戻ってくることもあります。


よくある質問

飲食店の閉店費用はどのくらいかかりますか?

一般的な目安は家賃の半年〜1年分です。月額家賃30万円なら180万〜360万円程度ですが、特殊な物件では1,000万円を超えることもあります。最も大きな費用項目は原状回復工事(坪5〜10万円)で、これを居抜き売却で回避できるかどうかで総額が大きく変わります。

原状回復費用を安くする方法はありますか?

最も効果的な方法は居抜き売却です。次のテナントに内装・設備をそのまま売却することで、原状回復工事が不要になります。指定業者制度がある物件では相見積もりが取れないため、費用を下げること自体が難しい場合があります。まずは居抜き売却が可能かどうかを確認するのが先決です。

閉店費用が払えない場合はどうすればいいですか?

閉店費用が用意できない場合も、焦らず選択肢を整理してください。居抜き売却で得た売却益を閉店費用に充てる方法があります。また、廃業年度の赤字は繰戻し還付で一部が戻る可能性があります。状況によっては弁護士・税理士への相談も有効です。「支払えないから動けない」と思い込む前に、専門家へ相談することをおすすめします。


まとめ——閉店費用の全体像を把握して、最善の選択を

飲食店の閉店費用は、原状回復・厨房機器撤去・各種精算など複数の費用が重なるため、想像以上に大きくなるケースがあります。特に高架下や商業ビルなどの特殊物件では、原状回復費用だけで1,000万円を超えることも珍しくありません。

費用を抑えるための最大の手段は居抜き売却です。原状回復費用の免除に加え、内装・設備が売却益になるため、資金面での余裕を生み出せます。閉店を考え始めた早い段階で居抜き売却の可能性を確認することが、費用負担を最小限に抑える鍵です。

一人で抱え込まず、まず現状を専門家に話してみてください。

店舗の売却・閉店についてお悩みの方へ。株式会社ネクストでは、二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に査定し、着手金0円・完全成果報酬で居抜き売却をサポートしています。無料査定のご相談はこちら、またはLINEでの無料相談もご利用いただけます。

スケルトン戻しの費用|坪単価・業態別相場と居抜き売却で費用ゼロにした事例

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!– genre: kaiyaku –>

!– meta: スケルトン戻しの費用は軽飲食で坪5万円、重飲食で坪10万円が目安です。ただし高架下・空中階・指定業者など条件次第で数倍になることも。居抜き売却への切り替えで1,800万円の費用負担を回避した実例とともに解説します。 –>

「退去するときにスケルトン戻しが必要だ」と言われ、費用がどのくらいかかるのか不安になっていませんか。閉店の決断だけでも精神的につらいのに、費用の話が重なると、どこから手をつければいいかわからなくなりますよね。

この記事では、スケルトン戻し(原状回復工事)の費用相場を業態別・坪単価でわかりやすくお伝えします。あわせて、費用が高額になりやすいケース、そして弊社・株式会社ネクストが実際に担当した「1,800万円の原状回復費用がゼロになった」事例も紹介します。

まず結論からお伝えします。スケルトン戻しの費用は、居抜き売却への切り替えによってゼロになる可能性があります。費用を支払う前に、選択肢を把握しておくことが大切です。


スケルトン戻しとは何か

「スケルトン戻し」とは、賃貸物件を退去する際に、内装・設備・造作物をすべて撤去し、コンクリートや鉄骨だけが残る「スケルトン状態(骨組みだけの状態)」に戻す工事のことです。「原状回復工事」や「スケルトン返し」と呼ばれることもあります。

飲食店舗の賃貸借契約では、退去時の原状回復義務が契約書に明記されているのが一般的です。ただし「スケルトン状態に戻す」ことが義務なのか、「借りた時点の状態に戻す」ことが義務なのかは、契約書の内容によって異なります。退去前に必ず契約書を確認し、不明な点は管理会社や弁護士に相談することをおすすめします。

なお、スケルトン戻しが求められるのは主に以下のような場合です。

  • 賃貸借契約書に「スケルトン状態にして返却する」と明記されている
  • 物件オーナーが次のテナントに向けてフルリノベーションを予定している
  • 商業施設・電鉄系ビルなど、管理側のルールが厳格な物件

スケルトン戻し費用の相場|業態別・坪単価の目安

スケルトン戻しの費用は「坪単価×坪数」で概算されることが多いです。業態によって内装や設備の複雑さが異なるため、坪単価にも幅があります。

業態 坪単価の目安 20坪の場合 30坪の場合
軽飲食(カフェ・テイクアウト等) 5万円前後 約100万円 約150万円
一般飲食(居酒屋・レストラン等) 7〜8万円前後 約140〜160万円 約210〜240万円
重飲食(焼肉・ラーメン・鉄板焼き等) 10万円前後 約200万円 約300万円

これはあくまで標準的な目安です。実際には物件の立地・構造・設備の内容によって、費用が大きく変わります。以下のケースでは、上記の相場を大きく超えることがあります。

費用が高額になりやすいケース

  • 高架下・地下・高層階など、搬出経路が複雑な物件:廃材の運び出しに手間がかかり、人件費・運搬費が増加します
  • 商業施設内・ビルテナント:夜間作業や管理者常駐が必要なため、通常の30〜50%増しになるケースがあります
  • 個室が多い・造作が複雑な内装:解体・撤去の工数が増えます
  • 排水・排気設備の変更が必要なケース:既存配管の撤去・復元工事が加わります
  • 厨房に油汚れが多い・ダクトが長い:清掃や解体に特殊作業が必要になります

弊社でご相談を受ける中で実感するのは、スケルトン戻しの見積もりを事前に取っているオーナーが非常に少ないという点です。「そういうものだから」と工事を依頼してしまい、後から金額を聞いて驚かれるケースが多くあります。退去が決まったら、まず費用感を把握することが重要です。


指定業者制度で費用が跳ね上がることがある

賃貸借契約書に「原状回復工事はオーナー指定の業者が行う」と記載されているケースがあります。これは「指定業者制度」と呼ばれるもので、特に電鉄系・不動産会社系の商業ビルや高架下物件でよく見られます。

指定業者に縛られる場合、以下のような問題が生じます。

  • 相見積もりが取れないため、費用の妥当性を確認できない
  • 市場相場より高い金額が提示されることがある
  • 交渉の余地が限られる

指定業者制度そのものは、「ビル全体の設備に影響しないよう、建物を熟知した業者に任せる」という理由から設けられています。一概に不当とは言えません。ただし、退去するまで金額がわからない点が、オーナーにとって大きな不安要素になっています。

契約書に指定業者の記載がある場合、退去前に管理会社へ「概算見積もりを取れるか」を確認してみることをおすすめします。早めに動くことで、選択肢が広がる場合があります。


【実例】高架下30坪の原状回復費用が1,800万円だったケース

弊社・株式会社ネクストが実際に担当した事例をご紹介します。

ある店舗オーナーが退去にあたり、ビルの管理会社から原状回復工事の概算を提示されました。物件は高架下の約30坪。提示された費用は1,800万円。

この物件は電鉄系子会社が管理しており、原状回復は指定業者のみ対応可能。相見積もりを取ることができない状況でした。オーナーは「支払うしかない」と考えていたそうです。

そのとき、知り合いの社会保険労務士がオーナーを止め、弊社を紹介してくださいました。弊社でお話を聞いた結果、居抜き売却への切り替えが可能であると判断。次のテナントに造作をそのまま引き継いでいただく形で、居抜き売却を進めました。

結果として、スケルトン戻し費用1,800万円の負担がまるごと回避されました。なお、この物件は定期借家で残存期間が短く、造作は無償譲渡となったため、売却益は発生していません。

この事例で特に重要なのは、オーナーが「支払うしかない」と思い込んでいた点です。居抜き売却という選択肢を知らなければ、1,800万円を支払って退去するところでした。知っているかどうかで、結果は大きく変わります。

なお、次の入居テナントには「退去時の原状回復費用が高額になること、およびその金額の目安」を事前にお伝えしています。情報を共有することで、同じ状況を繰り返さないための対応です。


スケルトン戻し vs 居抜き売却|どちらを選ぶべきか

退去時の選択肢として、「スケルトン戻しをして退去する」か「居抜き売却に切り替えるか」のどちらが有利かを比較します。

比較項目 スケルトン戻し 居抜き売却
原状回復工事費用 全額負担(数十万〜数百万円) ゼロ〜大幅削減の可能性あり
収益性 なし(支出のみ) 造作譲渡料として収益が出る場合あり
退去までの期間 工事期間が必要(数週間〜) 買い手が見つかれば比較的スムーズ
物件オーナーの同意 不要(契約書に従うのみ) 必要(賃貸人の承諾が前提)
次テナントへのメリット レイアウト自由・仕様最適化が可能 初期費用・工期を抑えやすい
向いているケース 物件オーナーが次に大改修を予定している場合など 造作・設備が活用できる業態に引き継げる場合

スケルトン戻しと居抜き売却では、金銭的な差が非常に大きくなります。スケルトン戻し費用の負担がゼロになるだけでなく、居抜き売却では逆に収益が生まれることもあるからです。

ただし、居抜き売却には物件オーナー(大家さん)の承諾が必要です。契約書の内容によっては造作の譲渡が認められない場合もあります。まず契約書を確認し、管理会社・弁護士に相談したうえで、弊社のような居抜き売却の専門会社にご相談いただくことをおすすめします。

居抜き売却を検討するタイミング

居抜き売却の検討は、退去の意思が固まった段階でできるだけ早く動くことが大切です。賃貸借契約の解約通知を出してしまってからでも相談は可能ですが、余裕を持って動くほど選択肢が広がります。

特に以下の状況に当てはまる方は、早めにご相談ください。

  • スケルトン戻し費用の概算を聞いて驚いた
  • 指定業者から高額な見積もりが届いた
  • 閉店を決めたが費用の全貌がまだわかっていない
  • 厨房設備・内装にまだ価値がある状態で退去したい

よくある質問

Q. 契約書に「スケルトン返却」と書いてあっても居抜き売却できますか?

場合によっては可能です。賃貸借契約書に「スケルトン状態で返却する」と記載されていても、物件オーナー(大家さん)が居抜き売却に同意すれば、スケルトン戻し工事を行わずに退去できるケースがあります。オーナーにとっても、次のテナントが早期に決まるメリットがあるため、交渉に応じてもらえることは少なくありません。弊社では物件オーナーへの交渉サポートも行っております。まずはご相談ください。

Q. スケルトン戻しの見積もりはどこに頼めばいいですか?

複数の施工会社に見積もりを依頼することが理想ですが、前述のとおり物件によっては指定業者のみ対応可能なケースがあります。まず契約書を確認し、指定業者の定めがあるかどうかを確認してください。指定がない場合は、店舗の原状回復工事を専門とする業者に3社程度から相見積もりを取ることをおすすめします。なお、見積もりを取ること自体は費用がかかりません。金額を把握してから判断することが大切です。

Q. 居抜き売却を相談したいが、どのくらいの期間がかかりますか?

物件の立地・条件・業態によって異なりますが、弊社の経験では早ければ1か月程度で買い手が見つかるケースもあります。池袋・恵比寿・西麻布といった飲食需要の高いエリアでは、物件情報が出るとすぐに問い合わせが入ることが多いです。一方、立地条件や造作の状態によっては時間がかかる場合もあります。解約通知の期日を見据えながら、できるだけ早い段階でご相談いただくと選択肢が広がります。


まとめ|スケルトン戻しの費用を把握したうえで、選択肢を検討してください

スケルトン戻しの費用は、業態・物件条件によって大きく異なります。軽飲食で坪5万円、重飲食で坪10万円が目安ですが、高架下・商業施設内・指定業者が絡む物件では、数倍になることもあります。

弊社が担当した高架下30坪の事例では、原状回復費用として1,800万円が提示されていました。しかし居抜き売却に切り替えたことで、費用はゼロになりました(この事例は定期借家で残存期間が短く、造作は無償譲渡だったため売却益はありませんが、1,800万円の負担を回避できた効果は非常に大きなものでした)。

閉店・退去を決意したとき、「スケルトン戻し費用を払うしかない」と思わないでください。居抜き売却という選択肢を知り、まず費用感を把握してから動くことで、結果は大きく変わる可能性があります。

一人で抱え込まず、まずは専門家に話を聞いてみてください。

店舗の売却・閉店についてお悩みの方へ。株式会社ネクストでは、二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に査定し、着手金0円・完全成果報酬で居抜き売却をサポートしています。無料査定のご相談はこちら、またはLINEでの無料相談もご利用いただけます。

飲食店経営が苦しいと感じたら読む|改善か撤退か判断するポイント

!– タイトル: 飲食店経営が苦しいと感じたら読む|改善か撤退か判断するポイント –>

!– メタディスクリプション: 飲食店経営が苦しい状況から立て直すための具体策と、撤退を判断すべきタイミングの基準を解説します。「まだ頑張れる状態」か「潮時」かを冷静に見極めるヒントを、居抜き売却仲介の現場視点でお伝えします。 –>

!– スラッグ: inshokuten-keiei-kurushii –>

!– ジャンル: keiei –>

!– メインKW: 飲食店 経営 苦しい –>

!– 文字数目安: 約4,200字 –>

毎月の売上を見るのが怖い。仕入れ費用が上がって、利益が出ない。スタッフが定着しない。そんな状況の中で、「あとどれくらい頑張れば変わるのか」と出口の見えない日々を過ごしていませんか。

飲食店経営が苦しい局面には、大きく二つの方向性があります。ひとつは現状を分析して立て直しを図ること。もうひとつは、傷が深くなる前に戦略的に撤退することです。どちらが正解かは店舗の状態によって異なります。

この記事では、経営が苦しいときの立て直し策と、撤退を判断する基準を具体的にお伝えします。弊社・株式会社ネクストには、毎月多くの飲食店オーナーからご相談をいただいています。その現場から得た実感も交えながら、前向きに次の一手を考えるためのヒントをお届けします。


飲食店経営が苦しくなる主な原因

まず、経営が苦しくなる原因を整理することが大切です。原因が特定できれば、立て直せる可能性があるかどうかも見えてきます。

原材料費・光熱費の高騰

2026年現在、食材費と光熱費の高騰は「一時的なもの」ではなくなりました。多くの飲食店にとって、高い原価と少ない人手が「前提条件」になっています。値上げをしても客が離れにくい構造を作れている店は生き残り、そうでない店は利益が出なくなっています。

メニューの多さもリスクのひとつです。品数が多いほど食材の在庫管理が複雑になり、ロスも増えます。絞り込んだメニューで回転率や粗利を高めた店のほうが、コスト高に耐えやすい体質になっています。

客数の減少による悪循環

客単価は上がっているのに売上が伸びない。そんな場合は、客数が減っているサインです。客数の減少は悪循環の入口になります。来店頻度が下がると常連客が薄まり、口コミが減り、新規客も来なくなるという流れが始まります。この流れに一度入ると、立て直しには相応の時間とコストがかかります。

人手不足による現場の疲弊

スタッフを採用しても定着しない、自分が現場を離れられない、という状況も経営を圧迫します。オーナー自身が現場に入り続けることで経営判断の時間が取れなくなり、集客や改善に手が回らなくなるケースが多く見られます。

融資返済の負担増

開業時の融資、コロナ禍のゼロゼロ融資の返済が始まったことで、資金繰りが一気に苦しくなったオーナーも少なくありません。月々の売上から返済分を引いた手残りが減り、設備投資や改善費用が出せない状態になっています。


立て直しが「可能」か「困難」かを見極める基準

経営が苦しいとき、「もう少し頑張れば変わるかもしれない」と思うのは自然な気持ちです。しかし、立て直しには必ず費用と時間がかかります。判断を先延ばしにすればするほど、資金が減り、選択肢が狭まります。以下の視点で現状を確認してみてください。

チェック項目 立て直せる可能性あり 撤退を検討すべき状態
現預金の残高 家賃6か月分以上ある 家賃3か月分を切っている
営業利益率 マイナスだが改善傾向にある マイナス10%超が3か月以上続いている
客数の推移 減少が止まっている、または回復中 3か月以上連続で前年比を下回っている
原因の特定 原因が絞り込めており打ち手がある 何をしても改善しない、原因が不明
改善への費用 一定の資金を投入できる余力がある 改善費用を捻出できる余裕がない

目安として、「現預金が家賃の3か月分を切った段階」が、決断を急ぐべきラインとされています。この水準を下回ると、居抜き売却による撤退でも費用を捻出しにくくなる場合があります。


立て直しを選ぶ場合にすべき3つのこと

立て直しを図るには、感覚ではなく数字を根拠にした改善が必要です。弊社にご相談にいらっしゃるオーナーの中には、「まだやりたい、資金もある程度残っている」という方もいます。そうした方には、飲食店専門のコンサルタントを紹介し、再起のサポートをお願いするケースがあります。

1. メニューを絞り、粗利の高い構成に組み直す

品数を減らし、売れ筋と粗利の両方が高いメニューに集中させます。食材のロスが減り、調理オペレーションもシンプルになります。値上げをする場合は、「なぜこの価格なのか」を伝えられる素材・ストーリーを用意することで、客離れを最小限にできます。

2. 集客チャネルを見直す

SNS・Googleマップ・食べログ・SEOなど、集客手段は複数あります。ただし、SNSはプロに依頼しても成果が出るまで最低半年〜1年かかるのが現実です。すぐに効果が出やすいのはGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール)の最適化です。写真・営業時間・口コミへの返信といった基本情報を整えるだけで、近隣からの検索流入が変わることがあります。

3. 固定費の見直しと家賃交渉

売上が落ちている時期は、固定費を下げることが最優先です。特に家賃は、オーナーに交渉の余地がある場合があります。「売上が落ちており、このまま続けると閉店になる」という現状を正直に伝えることで、一時的な減額に応じてくれるケースもあります。閉店されてしまうよりも、交渉に応じたほうが得策と判断する家主も少なくありません。


立て直しには費用と時間がかかる現実

再起を図りたくても、資金が尽きていては動けません。これが多くのオーナーが直面する現実です。

弊社にご相談に来られる方の多くは、「もう少し早く来ていれば…」とおっしゃいます。未払い金や融資の残債が積み上がり、資金的な余力がほとんどない状態になってからのご相談では、選択肢が大幅に狭まります。

「もう少し頑張ろう」とメニュー変更や内装リニューアルに追加融資を重ねてしまうパターンも、弊社が現場で多く見てきた典型例です。本来は内部改善よりも先に、認知・集客に投資するほうが効果的なことが多いのですが、それが難しい資金状況になってからでは手遅れになります。

経営改善コンサルタントへの依頼や、業態転換・移転には初期費用がかかります。一般的に、コンサルタントへの相談料・顧問料は月数万〜十数万円、業態転換には数十万〜百万円以上の費用が発生することも珍しくありません。その費用を捻出できる段階かどうかが、立て直しの現実的な起点になります。


撤退を選ぶ場合の考え方と居抜き売却という選択肢

撤退は「失敗」ではありません。資金が尽きてから動くのではなく、条件が良いうちに判断を下すことが、次のステップへの足がかりになります。

特に、本業のかたわら副業として飲食店を営んでいる方は、経営が苦しくなったときに「すぐ損切り」する傾向があります。熱意がないわけではありませんが、本業への影響を考えると早期に決断するのが合理的だと判断されるケースが多いようです。これはむしろ、冷静な意思決定と言えます。

居抜き売却とは何か

居抜き売却とは、内装・厨房設備・什器などをそのままの状態で次のテナントに引き継ぐ形の売却方法です。原状回復(スケルトン状態に戻す工事)の費用を大幅に削減できるうえ、設備・造作に価値があれば売却益(造作譲渡料)を得られることもあります。

通常、閉店時には数十万〜数百万円の原状回復費用が発生します。その費用をゼロにできる、または売却益に転換できる点が居抜き売却の最大のメリットです。

資金が残っているうちに動くことが重要

居抜き売却は、「閉めたい」と思ってからすぐに成約するとは限りません。買い手を探し、交渉し、契約を結ぶまでの期間は、早いケースで1か月、平均的には2〜3か月程度かかります。資金が尽きてから動くと、その間の家賃や人件費が支払えなくなるリスクがあります。

「まだ少し資金がある」「苦しいが閉店の決断はしていない」という段階でも、無料査定だけでも受けておくことで、現状の選択肢を把握することができます。


よくある質問

経営が苦しいとき、まず何から手をつければよいですか?

まず現状の数字を正確に把握することから始めてください。月次の売上・原価・固定費・キャッシュフローを整理し、「赤字の主な原因がどこにあるか」を特定します。感覚ではなく数字で現状を把握することで、打ち手の優先順位が見えてきます。一人で整理が難しい場合は、税理士や飲食店専門のコンサルタントに相談することも選択肢のひとつです。

閉店すると、借金や融資の残債はどうなりますか?

閉店しても融資の残債は残ります。居抜き売却で得た売却益を返済に充てることはできますが、残債全額をまかなえるかどうかは、借入額・営業年数・売却額によって異なります。営業年数が短いほど残債が多く、売却益との差額が生じやすい傾向があります。具体的な状況については、税理士や弁護士へのご相談をお勧めします。弊社では売却に関わる部分のサポートをいたします。

「もう少し頑張ろう」と思っていますが、撤退のタイミングを逃してしまいますか?

「まだ頑張れる」と感じているうちは、選択肢が広く残っています。問題は、資金が底をついてから判断すると、選べる手段が限られてしまう点です。立て直しを選ぶにしても、撤退を選ぶにしても、早い段階で状況を整理しておくことが結果的に有利に働きます。無料査定だけでも受けておくと、撤退した場合の費用感や売却見込みがわかり、判断の材料になります。


まとめ:経営が苦しいと感じたら、早めに選択肢を整理する

飲食店の廃業率は1年で約3割、3年で半数、5年で6割というデータがあります。苦しい状況に直面しているのは、あなただけではありません。

大切なのは、「立て直し」か「撤退」かを決める前に、現在の資金状況・改善できる原因があるかどうかを冷静に把握することです。資金がある程度残っており、まだやりたい気持ちが強い方は、飲食店専門のコンサルタントに相談することで道が開けることがあります。一方、資金的な余裕がなく、すぐに動く必要がある方には、居抜き売却が現実的な選択肢になります。

どちらの選択肢も、早く動くほど条件が良くなる傾向があります。追い詰められてから決断するのではなく、「まだ選べる段階」で情報を集めてください。

店舗の売却・閉店についてお悩みの方へ。株式会社ネクストでは、二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に査定し、着手金0円・完全成果報酬で居抜き売却をサポートしています。無料査定のご相談はこちら、またはLINEでの無料相談もご利用いただけます。

飲食店の借金と廃業|4つの整理方法と居抜き売却で負担を減らす方法

「もう限界かもしれない」——そう感じながら、今日も店を開けているオーナー様へ。毎月の借金返済に追われ、廃業を考え始めたとき、最初に頭をよぎるのは「自己破産しかないのか」という不安ではないでしょうか。でも、実際にはいくつかの選択肢があります。この記事では、飲食店が抱えやすい借金の種類と、廃業にあたって取れる選択肢を、居抜き売却の活用も含めて整理します。

飲食店の借金で「廃業」を考えたとき、まず知ってほしいこと

廃業は「失敗の証明」ではありません。2025年、飲食業の倒産件数は1,002件と、1996年以降の30年間で初めて1,000件を超えました(東京商工リサーチ調べ)。食材費・人件費の高騰、ゼロゼロ融資の返済本格化——多くのオーナーが同じ状況に追い詰められています。

大切なのは、「どう閉めるか」「何を残さないか」を早めに考えることです。放置して借金が膨らむほど、選択肢は狭くなっていきます。

飲食店が抱えやすい借金の種類

まず、自分の借金がどのカテゴリに属するかを整理しましょう。借金の種類によって対処法が変わります。

種類内容注意点
金融機関からの融資日本政策金融公庫・銀行・信金など保証人がいる場合、保証人にも請求が来る
買掛金・未払金食材仕入れ先・業者への支払い少額でも複数積み重なると大きな金額になる
リース契約厨房設備・POSレジ等のリース残債中途解約で違約金が発生することが多い
店舗物件費用賃料の未払い・解約予告期間の賃料解約通知から退去まで数ヶ月分の賃料が必要
公共料金・その他電気・ガス・水道の未払い滞納が続くと供給停止になるケースも

融資の保証人問題は特に深刻です。次の章で説明する「任意整理」を使えば、保証人付きの債務を対象から外すことができる場合があります。まずは弁護士・司法書士への相談をお勧めします。

廃業時に選べる4つの債務整理の方法

借金の整理には、大きく分けて4つの方法があります。それぞれ費用・効果・リスクが異なります。

方法概要借金への効果保証人への影響費用感
任意整理弁護士が債権者と直接交渉。裁判所を使わない利息・遅延損害金をカット、返済額を圧縮対象から外せる(保証人を守れる)弁護士費用数十万円程度
小規模個人再生裁判所を通じて債務を最大5分の1に圧縮元本を大幅カット後、3〜5年で返済保証人に請求が来る可能性あり弁護士費用+申立費用
特定調停裁判所の調停委員が債権者と調整返済条件の緩和(元本減額は難しい)保証人に請求が来る可能性あり比較的安価
自己破産裁判所に申立て、免責許可で債務をゼロに借金が全額免除(免責)保証人に全額請求が来る弁護士費用+申立費用

どの方法が適切かは、借金の総額・保証人の有無・資産状況によって変わります。税理士・弁護士への早めの相談が重要です。「自己破産しか選択肢がない」と思い込まずに、専門家に相談してみてください。

居抜き売却で借金を減らす方法——閉店コストを収入に変える

債務整理と並行して活用したいのが「居抜き売却」です。居抜き売却とは、厨房設備・内装・什器をそのまま次のテナントに譲渡して、造作譲渡代を受け取る方法です。

廃業時に通常かかる費用と、居抜き売却した場合を比較すると次のようになります。

項目スケルトン返却(原状回復)居抜き売却
原状回復費坪5〜15万円(20坪なら100〜300万円)基本的に不要(買い手が引き継ぐ)
設備・内装の価値廃棄(ゼロ)造作譲渡代として現金化できる
閉店にかかる期間工事期間も含め数ヶ月早ければ1〜2ヶ月で成約

この「原状回復費用がかからなくなる」+「造作譲渡代が入る」という2つの効果が、借金返済の助けになります。

ただし、居抜き売却で得られる金額が借金全額をカバーできるとは限りません。次の章で、特に注意が必要なケースを説明します。

複数店舗経営なら「赤字店舗だけ」を手放す選択肢がある

実際に弊社が担当した事例では、複数店舗を運営している経営者が、赤字になっている1店舗を居抜き売却することで、経営全体が立て直せたケースが複数あります。

赤字店舗が1つあるだけで、毎月の固定費(賃料・人件費・光熱費)がグループ全体の資金繰りを圧迫します。その店舗を手放すことで、残りの店舗に資金と人手を集中させられます。

ただし、営業年数が短い店舗は居抜き売却だけで残債を完済するのが難しいケースが多いです。たとえば開業から1〜2年の店舗は、融資の返済がほとんど進んでいないため残債が大きく、造作譲渡代だけでは不足することがあります。この場合は、居抜き売却による回収額と残った借金の整理を、弁護士と相談しながら並行して進めるのが現実的です。

「もう少し頑張ろう」が状況を悪化させるパターン

弊社に相談に来るオーナー様の多くは、すでに限界を超えて頑張っています。「もう少しでV字回復できるかもしれない」とメニュー変更・内装リニューアルのために追加融資を重ねてしまうパターンが、借金をさらに膨らませる典型的な悪循環です。

集客施策(SNS運用・SEO・Googleマップ対策)は、効果が出るまでに最低でも半年〜1年かかります。その間にも借金は増え続けます。「いつまでに黒字化できるか」の見通しが立たない状況であれば、早めに出口を検討することも、経営判断として合理的な選択です。

決してあなたが弱いのではありません。環境が変わったのです。


よくある質問

Q. 借金がある状態で居抜き売却はできますか?

A. はい、できます。融資の残債があっても居抜き売却は可能です。売却で得た造作譲渡代を返済に充て、不足分を債務整理で整理するという組み合わせが、負担を最小化する方法の一つです。まずは現在の借金総額と店舗の査定額を把握することから始めましょう。弊社では無料で査定をおこなっています。

Q. 自己破産すると保証人(家族・友人)はどうなりますか?

A. 自己破産を選んだ場合、保証人には借金の全額が請求されます。保証人への影響を最小限にしたい場合は、「任意整理」が一つの選択肢です。任意整理は対象とする債務を選べるため、保証人付きの借金を対象から外すことができます。ただし状況によって異なるため、弁護士への相談を強くお勧めします。

Q. 営業年数が短い店舗でも居抜き売却は意味がありますか?

A. 居抜き売却自体は可能ですが、営業年数が短いと融資の残債がまだ多く残っている場合がほとんどです。造作譲渡代で残債を全額カバーするのは難しいケースが多いです。ただし、原状回復費用(数十万〜数百万円)を節約できる効果は確実にあります。残債については弁護士・税理士と相談しながら整理方法を検討しましょう。


まとめ

飲食店の借金と廃業について、大切なポイントを整理します。

  • 2025年の飲食業倒産は1,002件と史上初の1,000件超え。苦しんでいるのはあなただけではありません
  • 借金の整理方法は「任意整理・小規模個人再生・特定調停・自己破産」の4種類。保証人を守りたいなら任意整理が有効
  • 居抜き売却を使えば、原状回復費用をゼロにしつつ造作譲渡代を返済に充てられる
  • 複数店舗経営なら赤字店舗だけを居抜き売却して経営を立て直せるケースがある
  • 営業年数が短い店舗は残債が多く、居抜き売却と債務整理の併用を検討する必要がある
  • 「もう少し頑張ろう」と追加融資を重ねるほど選択肢は狭くなる。早めの相談が重要

税務・法務に関わる判断は、必ず弁護士・税理士への相談をおこなってください。弊社は居抜き売却の専門家として、店舗の価値を正しく査定し、閉店のコストを最小化するお手伝いをしています。

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造作譲渡の相場はいくら?業態別データと高く売る5つのコツ

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!– kw: 造作譲渡 相場 –>

!– date: 2026-07-12 –>

「造作譲渡料っていくらが相場なんだろう…自分の店はいくらになるんだろう」と、閉店を考えながら検索している方も多いのではないでしょうか。相場の情報はネットにあふれていますが、業態によって大きく違うのに、一律に語られていることがほとんどです。この記事では、業態別の具体的な相場データと、実際に相場の2〜3倍で成約した事例をもとに、造作譲渡料が高くなる条件と、高く売るための実践的なポイントをお伝えします。

造作譲渡料の相場は100〜300万円。ただし、2倍以上になるケースも珍しくない

造作譲渡料(ぞうさくじょうとりょう)とは、飲食店を閉める際に、内装・厨房設備・什器(じゅうき)・空調などをまとめて次のテナントに売る対価のことです。居抜き売却(いぬきばいきゃく)とも呼ばれ、原状回復(げんじょうかいふく)=スケルトン戻し工事を省いて現金化できる方法です。

一般的な相場は100〜300万円です。ただしこれはあくまでも平均値です。立地や業態、物件の希少性によっては相場をはるかに超えることがあります。

価格帯代表的なケース
0〜100万円郊外・設備の老朽化・需要の低い立地
100〜300万円標準的な立地・設備状態が普通
300〜600万円駅近・賃料が相場より安い・設備が新しい
600万円以上出店希望者が多いが物件情報が出にくいエリア

弊社・株式会社ネクストが担当した案件では、当初の希望額の2倍以上で成約した物件が複数あります。価格の鍵は「設備の新しさ」よりも「エリアの希少性」にあります。詳しくは後述します。

業態別の造作譲渡料の相場

業態(ぎょうたい)によって厨房設備の規模や内装コストが異なるため、造作譲渡料にも差が出ます。以下は市場データをもとにした業態別の相場目安です。

業態平均的な相場(目安)
中華料理約325万円
焼肉約324万円
洋食・レストラン約294万円
鉄板焼き約271万円
テイクアウト系約182万円
カラオケ・バー系約169万円

中華や焼肉は、大型のガス設備・排気ダクト・換気設備が充実しているため、次のオーナーにとっての「初期投資の節約額」が大きく、高値がつきやすい傾向があります。一方でテイクアウト系やバー系は厨房設備が小さいため、平均値は低めです。

カテゴリーで大別すると、以下が目安です。

  • 重飲食(焼肉・中華など):200〜300万円が中心
  • 軽飲食(カフェ・テイクアウトなど):100〜200万円が中心

ただし、これはあくまでも「設備」の価値で計算した場合の目安です。実際の成約価格は、次のセクションで説明するエリアの希少性によって大きく変わります。

造作譲渡料が高くなる本当の理由は「エリアの希少性」

多くの方が「設備が新しければ高く売れる」と考えています。それは間違いではありませんが、最も価格を押し上げる要因はエリアの希少性です。つまり「そのエリアで出店したい人が多いのに、物件情報がなかなか出てこない場所」かどうかが、造作譲渡料を決める最大の要素です。

弊社が実際に担当した事例でご説明します。

事例①:池袋のとんかつ屋 — 希望300万円が660万円で成約

8坪という小さな店舗で、立地は池袋。オーナーは「300万円になれば」という希望でしたが、最終的に660万円での成約となりました。

決め手は2つです。まず、池袋は飲食店のニーズが非常に高いにもかかわらず、物件情報が市場に出にくいエリアです。次に、賃料が周辺相場より安めに設定されており、次のテナントにとって「賃料も安い+内装・設備付き」という好条件が重なりました。設備の新旧より、エリアの希少性と賃料条件が価格を2倍以上に押し上げた典型的な事例です。

事例②:恵比寿の居酒屋 — 2階で視認性が悪くても1,100万円で成約

恵比寿駅近くの2階店舗。視認性(しにんせい)が悪く、看板を出しても通行人からは気づかれにくい物件でした。しかし10坪で1,100万円での成約となりました。

理由は明快です。恵比寿は飲食店出店希望者が常に多く、駅近物件は慢性的に不足しています。さらに、引き継げる賃料が周辺相場より約15万円安い水準でした。「2階で視認性が悪い」という弱点を、駅近の希少性と賃料の安さが完全に打ち消した事例です。

事例③:小平市の管楽器BAR — 「売れれば嬉しい」が230万円で成約

「売れれば嬉しい、売れなくても仕方ない」という温度感でご相談いただいた案件です。管楽器演奏ができる珍しい業態のBARで、当初300万円で募集。最終的に230万円で成約しました。

内装がきれいに保たれており、ガールズBARや一般的なバー業態への転用がしやすい造りだったことが評価されました。一般的なエリアでも、「次のオーナーが使いやすい内装か」という点が価格を支えることがわかる事例です。

造作譲渡料を高くする5つのポイント

エリアの希少性はオーナー自身では変えられません。ただ、高く売るために「できること」は確実にあります。

1. 複数の仲介に情報を出さず、専任の仲介を選ぶ

複数の仲介会社に同時に依頼すると、「早く売ろう」として価格を下げた情報が出回り、相場観が下がります。専任の仲介会社に任せることで、価格交渉の主導権を維持できます。

2. 厨房設備・空調の動作確認を事前にしておく

内見(ないけん)時に「コンロが使えない」「空調が壊れている」とわかると、買い手はその修繕費を理由に値下げ交渉をしてきます。事前に動作確認して、修繕できるものはしておくと、値下げを防げます。

3. 設備リストを用意する

何がどこにあり、年式はいつで、状態はどうかを一覧にしておくと、買い手の安心感につながります。「厨房機器リスト」「空調の年式・台数」「什器・家具の一覧」があるだけで査定額が変わることがあります。

4. 閉店直前まで清潔に保つ

内見のタイミングが「閉店後すぐ」「営業中」によっても印象は大きく変わります。床・壁・厨房周りの油汚れを落とし、整理整頓しておくことで、買い手の「ここで働きたい」という気持ちを引き出せます。

5. 賃貸借契約の条件を整理しておく

賃料・保証金・契約残期間・更新条件を事前に整理し、仲介会社に正確に伝えましょう。賃料が周辺相場より安い場合、それ自体が大きな価値になります。「賃料が安い」というだけで数百万円の上乗せにつながることがあります。

造作譲渡料に影響する「賃料」の考え方

造作譲渡料は、設備の価値だけでは決まりません。次のテナントにとっての「総合的なお得感」で価格が決まります。

例えば、周辺相場より月10万円安い賃料で引き継げる物件は、次のテナントが3年間で360万円節約できる計算になります。この「節約できる金額」が造作譲渡料に上乗せされるイメージです。恵比寿の事例で「月15万円安い賃料+駅近+内装付き」が1,100万円という価格を生み出したのも、このロジックです。

逆に、周辺相場より高い賃料の物件は、設備がどれだけ良くても売却価格が下がりやすいです。賃料が適正水準かどうかを確認することも、売却準備の一つです。

よくある質問

造作譲渡料はゼロになることもありますか?

あります。「無償譲渡(むしょうじょうと)」と呼ばれ、設備が古く使えるものが少ない場合や、郊外で買い手が見つかりにくいエリアでは、無償または撤去費用を売り手が負担する形になることもあります。ただし、無償でも原状回復費を払わずに済む場合は、経済的なメリットがあります。査定を受けてみることで、無償か有償かの目安がわかります。

造作譲渡料の税金はどうなりますか?

個人事業主の場合、造作譲渡料は事業所得または譲渡所得として扱われることが多く、課税対象となります。ただし、状況によって扱いが異なるため、税務上の処理については税理士への相談をお勧めします。弊社では税務アドバイスはできませんが、信頼できる税理士をご紹介することは可能です。

居抜き売却に失敗した場合、どうなりますか?

「売れなかった場合」に備え、リスクを最小化しておくことが大切です。着手金(ちゃくしゅきん)が発生する仲介会社では、売れなくても費用が発生します。弊社・株式会社ネクストは着手金0円・完全成果報酬のため、売れなかった場合の費用はかかりません。また、売却と並行して解約交渉のスケジュールを立てることで、機会損失を防げます。


まとめ:造作譲渡料は「エリア×賃料×設備状態」の掛け算で決まる

造作譲渡料の相場は100〜300万円が目安ですが、エリアの希少性と賃料条件によっては、その2〜3倍以上の価格が実現します。

  • 業態別の平均は、焼肉・中華が約325万円、テイクアウト・バー系は約169〜182万円
  • 最も価格を上げる要因は「出店希望者が多いが物件情報が出にくいエリア」であること
  • 賃料が周辺相場より安い物件は、それ自体が大きな価値になる
  • 設備の動作確認・清潔さ・設備リストの準備は、確実に査定額に影響する

「うちのエリアは普通の場所だし…」と思っていても、実際に査定してみると予想外の価格がつくことがあります。弊社では、池袋・恵比寿・小平など様々なエリアで、オーナーの想定を超える成約を実現してきました。

まずは一度、無料で査定価格の目安を確認してみてください。売るかどうかはその後でも決められます。

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飲食店の居抜き売却とは|300万が660万に化けた実例付きで解説

「もう店を閉めたい。でも閉店にもお金がかかるらしい…」そんな不安を抱えていませんか。実は飲食店には、閉店費用をゼロにするだけでなく、内装や設備を”資産”として現金化できる「居抜き売却」という方法があります。この記事では、居抜き売却の仕組みから費用相場、高く売るためのポイントまで、飲食店オーナーが知っておくべき基礎知識をすべて解説します。

居抜き売却とは?飲食店の内装・設備をそのまま売る方法

居抜き売却とは、店舗の内装・厨房設備・空調・什器などをそのままの状態で次の借主に売却する方法です。正式には「造作譲渡(ぞうさくじょうと)」と呼ばれ、現テナント(売り手)と新テナント(買い手)の間で造作売買契約を結びます。

通常、飲食店を閉める際には「原状回復義務」があり、内装をすべて撤去して建物の骨格だけの状態(スケルトン)に戻す必要があります。この工事費は坪あたり5〜10万円が相場で、20坪の店舗なら100〜200万円かかります。

居抜き売却なら、この原状回復費が不要になるだけでなく、内装や設備に値段がついて現金を受け取れます。つまり「マイナス100万円の閉店」が「プラス数百万円の閉店」に変わる可能性があるのです。

居抜き売却の費用相場 — いくらで売れる?

2026年現在、一都三県における飲食店の居抜き売却(造作譲渡)の相場は150万〜350万円が中心帯です。ただし、立地や設備の状態によって0円(無償譲渡)から1,000万円超まで大きく変動します。

条件売却価格の目安
駅近・繁華街・設備良好300万〜1,000万円以上
一般的な立地・標準的な設備150万〜350万円
郊外・設備老朽化0〜100万円

価格を決める主な要因は以下の4つです。

  • 立地 — エリアの需要と供給のバランスが最も重要
  • 内装・設備の状態 — 厨房機器の年式、空調の動作状況
  • 賃貸借契約の条件 — 家賃、保証金、契約残期間
  • 業態の汎用性 — 次の借り手がそのまま使える業態かどうか

ここで重要なのは、赤字で経営が苦しい店舗でも、売却価格には直接影響しないという点です。居抜き売却では「店の経営成績」ではなく「店舗という物理的資産と立地」に値段がつきます。

【実例】希望額300万円が660万円に — 立地の”希少性”が価格を跳ね上げた事例

実際に弊社が担当した事例をご紹介します。

池袋エリアのとんかつ屋さんから売却のご相談をいただきました。お店は路地裏にあり視認性が良いとは言えず、オーナー様ご自身は「300万円くらいで売れれば」とお考えでした。

しかし査定の結果、660万円での成約に至りました。希望額の2倍以上です。

高値の最大の要因は「池袋エリアの物件の希少性」でした。池袋は飲食店の出店需要が高い一方で、居抜きで出回る物件が非常に少ないエリアです。「視認性が悪い」という一見マイナスに見える条件も、エリア全体の需給バランスの中では大きなマイナスにはなりませんでした。

この事例が示すのは、「見た目の立地の良し悪し」と「市場における立地の価値」は別物だということです。だからこそ、飲食店専門の仲介会社による適正な査定が重要になります。

居抜き売却とスケルトン返却 — 費用を比較

閉店時の選択肢は大きく分けて「居抜き売却」と「スケルトン返却(原状回復)」の2つです。20坪の飲食店を例に費用を比較してみましょう。

項目スケルトン返却居抜き売却
原状回復工事費100万〜200万円不要(0円)
設備処分費20万〜50万円不要(買い手が引き継ぐ)
売却収入なし150万〜660万円(立地・設備による)
閉店までの期間1〜2ヶ月(工事期間)2週間〜1ヶ月(買い手が見つかれば)
手残り(差引)−120万〜−250万円+150万〜+660万円

差額は最大で900万円以上にもなります。閉店を検討している方は、まず居抜き売却の可能性を確認されることをおすすめします。

居抜き売却の流れ — 5つのステップ

居抜き売却は、以下の5ステップで進みます。

  1. 専門業者への相談・査定依頼 — 店舗の情報(立地・広さ・設備・契約条件)をもとに査定を受けます。弊社では二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に見極めます
  2. 賃貸借契約の確認 — 解約予告期間、居抜き退去の可否、保証金の返還条件を確認します
  3. 貸主(ビルオーナー)の承諾 — 居抜き売却には原則として貸主の承諾が必要です。仲介会社が交渉を代行するのが一般的です
  4. 買い手のマッチング — 出店希望者とのマッチングを行います。希望条件に合う買い手が見つかれば、内見・条件交渉へ進みます
  5. 契約・引き渡し — 造作売買契約と賃貸借契約を締結し、鍵の引き渡しで完了です

期間は早ければ2週間、平均して1〜2ヶ月程度です。

よくある質問

Q. 赤字続きの店舗でも居抜き売却できますか?

A. はい、可能です。居抜き売却では店舗の経営成績(売上・利益)ではなく、内装・設備・立地に対して価格がつきます。赤字店舗でも設備が使える状態で需要のあるエリアであれば、十分に売却が見込めます。まずは査定を受けてみることをおすすめします。

Q. 居抜き売却にかかる費用はどのくらいですか?

A. 仲介手数料として売却額の10%(最低30万円+税)が一般的です。弊社の場合は完全成果報酬のため、成約するまで費用は一切かかりません。着手金・相談料・立会料も不要です。

Q. ビルオーナーに居抜き売却を断られることはありますか?

A. 可能性はあります。ただし、ビルオーナーにとっても空室期間を短縮できるメリットがあるため、交渉次第で承諾を得られるケースがほとんどです。弊社ではビルオーナーへの交渉もすべて代行しています。

まとめ

居抜き売却は、飲食店の閉店にかかる費用をゼロにし、さらに内装・設備を現金化できる有効な方法です。赤字店舗や視認性の悪い立地でも、エリアの需給バランスや設備の状態次第で想定以上の価格がつくことがあります。

「自分の店にも値段がつくのだろうか?」と迷われている方は、まず査定だけでも受けてみてください。査定は無料で、その結果を見てから判断しても遅くはありません。

店舗の売却・閉店についてお悩みの方へ。株式会社ネクストでは、二級建築士の資格を持つ代表が内装・設備の価値まで正確に査定し、着手金0円・完全成果報酬で居抜き売却をサポートしています。無料査定のご相談はこちら、またはLINEでの無料相談もご利用いただけます。

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