【完全ガイド】飲食店売却を徹底解説!

【完全ガイド】飲食店売却を徹底解説!

飲食店の経営者様で、

 

「そろそろ店をたたむことを考えている」

「後継者がいないが、この店を誰かに引き継いでほしい」

 

とお考えではありませんか?

 

長年大切に育ててきたお店だからこそ、その決断は非常に重いものだと思います。

そして、いざ店じまいを考え始めると、

 

「何から手をつければいいのか」

「費用はどれくらいかかるのか」

「少しでもプラスになる方法はないのか」

 

など、次から次へと疑問や不安が湧き出てくることでしょう。

 

この記事は、そのような悩みを抱える全ての飲食店経営者のために作りました。

飲食店の店じまいにおける選択肢である「閉店(廃業)」と「売却」の違いから、具体的な売却方法、手続きの流れ、費用や税金、そして少しでも高く売るためのコツまで、知りたい情報をすべて網羅しています。

 

この記事を最後までお読みいただければ、飲食店売却の全体像を体系的に理解し、ご自身の状況に合った最善の選択をするための第一歩を踏み出せるはずです。ぜひ、あなたの「次」のステップのための羅針盤としてご活用ください。

1. 飲食店の店じまい、「閉店(廃業)」と「売却」はどう違う?

1. 飲食店の店じまい、「閉店(廃業)」と「売却」はどう違う

お店を閉めることを考えたとき、選択肢は大きく分けて「閉店(廃業)」「売却」の2つがあります。この2つは似ているようで、かかるコストや手元に残る利益が大きく異なります。まずは両者の違いを正しく理解し、ご自身にとってどちらが有利な選択肢かを見極めましょう。

 

まずはメリット・デメリットを比較

メリット・デメリットの比較

「居抜き売却」なら費用を抑えて利益を得られる可能性も

閉店の場合、店舗を借りたときの状態に戻す「原状回復義務」があり、内装の解体などで数百万円単位の費用が発生することも珍しくありません。

一方で、「居抜き売却」という方法で売却できれば、内装や厨房設備をそのままの状態で次の借主に引き継ぐことができます。

 

これにより、オーナー様は原状回復費用を大幅に削減できるだけでなく、内装や設備の価値を「造作譲渡代金」として受け取れる可能性があります。つまり、閉店では費用がかかるだけだったものが、売却ではプラスの収益を生むチャンスに変わるのです。

 

こんな人は「売却」を検討すべき

・少しでも手元にお金を残したい

・閉店にかかる費用を捻出するのが難しい

・大切にしてきたお店や内装を誰かに使ってほしい

・従業員の雇用を守りたい

・引退後の生活資金を確保したい

 

一つでも当てはまる方は、安易に廃業を選ぶのではなく、まずは売却の可能性を専門家と一緒に探ることを強くお勧めします。

より詳しくは、こちらの記事をご覧ください:
【徹底比較】飲食店の「閉店」と「売却」どちらを選ぶべき?

2. 飲食店売却の主な方法と特徴

2. 飲食店売却の主な方法と特徴

飲食店を売却するといっても、その方法は一つではありません。お店の状況やオーナー様の希望によって、主に3つの方法が考えられます。それぞれの特徴を理解し、最適な方法を選びましょう。

居抜き売却とは?(内装や設備をそのまま売却)

居抜き売却は、店舗の内装、厨房設備、空調、什器などをそのままの状態で次のテナントに売却する方法です。飲食店売却において最も一般的な手法と言えます。

 

メリット: 

売主は原状回復費用を削減でき、造作譲渡料を得られる可能性があります。買主側も初期投資を抑えてスピーディーに開店できるため、双方にとってメリットが大きく、マッチングしやすいのが特徴です。

 

デメリット: 

設備の劣化が激しいと、売却価格がつかない、あるいは買主が見つかりにくい場合があります。

スケルトン渡しとは?(原状回復して返却)

スケルトン渡しは、店舗の内装や設備をすべて撤去し、建物の構造体だけの状態(コンクリート打ちっぱなしの状態など)にしてから、貸主に返却する方法です。厳密には「売却」とは異なりますが、閉店手続きの一環として知っておく必要があります。

 

メリット: 

買主の好みに合わせて自由に内装を設計できるため、特定のコンセプトを持つ買主には好まれます。

 

デメリット: 

売主は高額な原状回復費用を負担する必要があります。閉店の際に発生する典型的なコストです。

 

事業譲渡(M&A)とは?(レシピや屋号も売却)

事業譲渡は、店舗の設備といった有形資産だけでなく、屋号(ブランド名)、レシピ、顧客リスト、従業員との雇用契約といった無形の資産(のれん代)も含めて、事業そのものを会社や個人に売却する方法です。M&A(Mergers and Acquisitions)の一種と位置づけられます。

 

メリット: 

繁盛店やブランド力のある店舗であれば、居抜き売却よりもはるかに高額での売却が期待できます。従業員の雇用も維持されやすいです。

 

デメリット: 

財務状況や経営ノウハウの引き継ぎなど、手続きが複雑になり、専門的な知識が必要となります。

より詳しくは、こちらの記事をご覧ください:
「居抜き」と「M&A」はどう違う?飲食店売却の方法を徹底解説

 

3. 失敗しない!飲食店売却の全ステップと流れ

3. 失敗しない!飲食店売却の全ステップと流れ

いざ売却を決意しても、何から始めればよいのでしょうか。ここでは、専門家への相談から引き渡しまでの一般的な流れを6つのステップで解説します。全体像を把握することで、安心して手続きを進めることができます。

 

STEP1:専門家・不動産会社への相談

まずは、飲食店売却の実績が豊富な不動産会社などの専門家に相談することから始めます。

この段階で、お店の状況や希望条件を伝え、売却の可能性やおおまかな相場についてアドバイスを受けます。

秘密厳守で相談できるので、従業員や取引先に知られる心配はありません。

 

STEP2:売却価格の査定

専門家が実際に店舗を訪問し、立地、内装・設備の状況、店舗の営業実績などを基に、売却価格(造作譲渡価格)の査定を行います。この査定額を基に、売主様の希望も踏まえて売り出し価格を決定します。

STEP3:媒介契約の締結

査定額や売却方針に納得できたら、売却活動を正式に依頼するための「媒介契約」を不動産会社と結びます。契約には「専任媒介」「専属専任媒介」「一般媒介」などの種類があり、それぞれの特徴を理解した上で選択します。

STEP4:買主の募集

不動産会社が、独自のネットワークや専門サイトなどを活用して、買主候補を探します。この際、現在の店舗運営に支障が出ないよう、情報は非公開で水面下で進めるのが一般的です。

 

STEP5:内見・交渉

購入希望者が現れたら、営業に支障のない時間帯で内見(内覧)を行います。買主が購入の意思を示したら、価格や引き渡し条件などの交渉に入ります。交渉は専門家が間に入るため、直接やり取りする必要はありません。

 

STEP6:契約・引き渡し

条件がまとまったら、「造作譲渡契約」を締結します。契約内容を十分に確認し、署名・捺印します。その後、残金の決済を行い、鍵や各種書類を引き渡して、売却手続きは完了となります。

より詳しくは、こちらの記事をご覧ください:
【完全図解】飲食店売却の全手順をステップごとに解説

4. 【お金の話】飲食店売却にかかる費用と税金のすべて

4. 【お金の話】飲食店売却にかかる費用と税金のすべて

売却を進める上で最も気になるのが「お金」の話です。売却にはどのような費用がかかり、得た利益に対してどれくらいの税金を納める必要があるのかを正確に把握しておくことが、後悔のない売却に繋がります。

 

売却時にかかる費用一覧

・仲介手数料: 

売却が成功した際に、不動産会社に支払う成功報酬です。売却価格に応じて料率が定められているのが一般的です。

 

・契約書印紙代: 

造作譲渡契約書に貼付する印紙の費用です。

 

・原状回復費用: 

居抜きで売却できず、スケルトンで返却する場合に発生します。

 

・その他: 

状況に応じて、閉店の告知費用や各種解約に伴う違約金などが発生する場合があります。

 

売却で得た利益にかかる税金

店舗の設備などを売却して得た利益(譲渡所得)は、課税対象となります。

 

・個人事業主の場合: 

譲渡所得として、他の事業所得などと合算して「所得税」「住民税」「復興特別所得税」が課税されます。

 

・法人の場合: 

売却益は法人の利益(益金)として計上され、「法人税」の課税対象となります。

 

税金の計算は複雑なため、必ず税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

閉店(廃業)にかかる費用との比較

前述の通り、閉店(廃業)の場合は、原状回復工事費、厨房機器や什器の廃棄処分費、リース解約違約金など、多額の費用が発生します。売却であればこれらの費用の多くが不要になるか、売却益で相殺できる可能性があり、金銭的な負担は大きく軽減されます。

より詳しくは、こちらの記事をご覧ください:
飲食店売却の費用と税金を徹底解説!手残りを最大化する方法

 

5. あなたのお店はいくらで売れる?売却価格の査定と相場

5. あなたのお店はいくらで売れる?売却価格の査定と相場

「自分の店は、一体いくらで売れるのだろうか?」これは、オーナー様にとって最大の関心事の一つでしょう。売却価格(造作譲渡料)がどのように決まるのか、その仕組みと相場観を理解しておきましょう。

 

何が値段を決めるのか?査定の重要ポイント

査定価格は、主に以下の要素を総合的に評価して算出されます。

 

①立地: 駅からの距離、周辺の環境、人通りなど、店舗の立地条件は最も重要な要素です。

 

②内装・デザイン: 

デザイン性が高く、清潔に保たれている内装は高く評価されます。

 

③厨房設備・什器: 

有名メーカーの製品か、状態は良好か、メンテナンスは行き届いているかなどがチェックされます。

 

④店舗の広さ・レイアウト: 

使い勝手の良いレイアウトや十分な広さも評価ポイントです。

 

⑤営業実績: 

繁盛店であれば、その実績が価格に上乗せされる場合もあります(営業権の譲渡)。

造作譲渡料の相場と計算方法

造作譲渡料に定価はありませんが、一般的には「内装や設備の減価償却後の残存簿価」を基準に、立地や店舗の状態などを加味して算出されます。

 

繁華街の人気エリアであれば200万~500万円、場合によっては1,000万円以上になることもありますが、郊外や設備の劣化が激しい場合は数十万円、あるいは価格がつかないケースもあります。

 

少しでも高く売るための3つのコツ

①お店を綺麗に保つ: 日頃からの清掃はもちろん、査定前や内見前には特に念入りに掃除をし、清潔感をアピールしましょう。

 

②厨房機器のメンテナンス: 設備の動作確認や修理、取扱説明書や保証書の準備をしておくと、買主への心証が良くなります。

 

③早めに専門家に相談する: 経営状況が悪化してから慌てて売却しようとすると、足元を見られて買い叩かれる可能性があります。余裕を持った段階で相談を始めることが高値売却の鍵です。

より詳しくは、こちらの記事をご覧ください:
飲食店売却の査定額はどう決まる?相場と高額売却のコツ

6. 飲食店売却を成功させるための重要注意点

6. 飲食店売却を成功させるための重要注意点

売却プロセスでは、思わぬトラブルに見舞われることもあります。安心して手続きを完了させるために、特に注意すべき点を事前に押さえておきましょう。

 

トラブル回避!契約書で確認すべきこと

造作譲渡契約書は、トラブルを防ぐための最も重要な書類です。特に以下の点は必ず確認しましょう。

 

・譲渡対象物の範囲: どの設備や備品が含まれるのか、リストで明確になっているか。

 

・瑕疵担保責任(契約不適合責任): 引き渡し後に設備が故障した場合などの責任の所在。

 

・公租公課の負担: 固定資産税などの負担割合は明確か。

 

・引き渡し日: いつまでに引き渡すのか。

従業員やリース契約の引き継ぎはどうする?

従業員: 従業員の雇用は、原則として一度リセットされます。買主が再雇用を希望する場合もありますが、保証はありません。従業員の将来を考え、誠実な対応が必要です。

 

・リース契約: 厨房機器やレジなどをリースしている場合、契約を引き継げるか、あるいは解約して違約金を支払う必要があるか、リース会社に確認が必要です。

 

閉店・売却を伝えるタイミングと伝え方

売却活動は、従業員や取引先に不安を与えないよう、契約が成立する直前まで内密に進めるのが鉄則です。伝える際は、誠意をもって、これまでの感謝と今後の処遇について丁寧に説明する場を設けましょう。タイミングや伝え方を誤ると、トラブルや評判の低下に繋がるため、慎重な判断が求められます。

より詳しくは、こちらの記事をご覧ください:
飲食店売却のトラブル事例と回避策【契約・従業員編】

 

7. 飲食店売却の相談はどこにすべき?信頼できる業者の選び方

7. 飲食店売却の相談はどこにすべき?信頼できる業者の選び方

飲食店売却の成功は、パートナーとなる専門家選びにかかっていると言っても過言ではありません。では、どこに相談し、どのようにして信頼できる業者を見極めればよいのでしょうか。

 

不動産会社?M&A仲介会社?それぞれの違い

・不動産会社: 主に「居抜き売却」を扱います。店舗の不動産価値や設備価値の査定に強く、スピーディーな売却を目指す場合に適しています。特に、飲食店専門の部署や実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。

 

・M&A仲介会社: 主に「事業譲渡」を扱います。屋号やレシピといった無形の資産(のれん)を評価し、事業そのものを売却したい場合に適しています。

悪徳業者に注意!見極めるポイント

残念ながら、売主の弱みにつけ込む悪質な業者も存在します。以下のような点に注意しましょう。

 

・根拠なく高すぎる査定額を提示して契約を迫る。

 

・媒介契約の内容を十分に説明しない。

 

・囲い込み(自社で買主を見つけようと他社に情報を公開しない行為)を行う。

 

実績豊富で親身な会社を選ぼう

良いパートナーを選ぶためには、以下の点をチェックしましょう。

 

・飲食店売却の成約実績が豊富か。

 

・担当者が業界に精通し、専門的なアドバイスをくれるか。

 

・こちらの不安や希望に親身に耳を傾け、丁寧に対応してくれるか。

 

・メリットだけでなく、デメリットやリスクについても正直に説明してくれるか。

 

複数の会社に相談し、査定内容や担当者の対応を比較検討することをお勧めします。

より詳しくは、こちらの記事をご覧ください:
失敗しない飲食店売却の相談先は?信頼できる業者の選び方

 

8. まとめ:後悔のない選択のために

8. まとめ:後悔のない選択のために

本記事では、飲食店売却を検討し始めたオーナー様が知っておくべき全ての基本情報を網羅的に解説しました。

 

「閉店」と「売却」には大きな違いがあり、「居抜き売却」という選択肢は、閉店コストを削減し、さらに売却益を得られるという大きなメリットがあります。その手続きは複雑に感じるかもしれませんが、信頼できる専門家をパートナーに選べば、一つ一つのステップを安心して進めていくことが可能です。

 

長年情熱を注いできた大切なお店だからこそ、その最後を最高の形で締めくくりたいと願うのは当然のことです。飲食店売却は、単なる「終わり」ではありません。ご自身のこれからの人生を豊かにするための、そして、お店の価値を次の担い手へと繋ぐための、前向きな「新たなスタート」です。

 

少しでも売却にご興味をお持ちでしたら、まずは一度、専門家にご相談ください。あなたの状況を丁寧にお伺いし、最善の道筋を一緒に見つけ出すお手伝いをさせていただきます。